大阪地裁平成24年7月27日判決

 電話機等のリース契約の勧誘に際して「この電話機は使えなくなる。」などと詐欺的な勧誘がなされた事案です。
 ユーザーからリース会社,サプライヤーに対して訴訟を提起したのですが,争点は多岐に渡ります。この判決で重要なのは,一定の場合にリース会社とサプライヤーの共同不法行為を認めたことです。一部判決文を引用します。

 「リース会社と提携販売店は,前記のような利害が対立する関係するばかりでは無く,リース契約締結に向けて密接な協力関係にあり,優良な顧客とのリース契約が増加すると,双方の利益も増加するという関係にもあるといえることから,提携販売店とリース会社の関係,提携販売店のリース契約締結手続きへの関与の内容及び程度,提携販売店の不法行為についてのリース会社の認識又は認識可能性の有無及び程度等に照らし,リース会社が提携販売店の違法行為を知り,又は知り得たにもかかわらず漫然と顧客とリース契約を締結したというような特段の事情が認められる場合には,リース会社は,提携販売店に違法な営業活動がないかを調査し,必要に応じて,両者の法律関係及び経済的影響力に応じた指導・監督をすべき注意義務があったものとして不法行為責任を負うと解するのが相当である。」

 なお,共同不法行為が認められなかったユーザー(原告)について,リース契約のクーリング・オフの成否を検討し,一部のユーザーについてクーリング・オフが認められました。