東京地裁平成25年5月29日判決

1 事案の概要

  原告(カード会社)は,被告がアメリカにあるインターネットサイトを利用したことを前提に,加盟店から債権譲渡を受けたとしてその利用料金の支払を求めて訴訟を提起した。被告は,原告が加盟店から債権譲渡を受けたというのであれば,いつ,どの加盟店において,どのような商品の購入を行ったのか明らかにしなければ請求原因事実の主張を欠き,主張自体失当であると反論した。

2 判決内容

 「原告の主張によれば,上記サイトを運営している加盟店が,被告にサービスを提供して,被告に対するサイト利用代金を取得することが,原告が加盟店から売上債権を譲り受けてこれを取得するための前提になるというべきところ,原告は,上記サイトを運営している加盟店を特定して主張していない。

 他方,上記サイトの利用代金を請求されている被告としては,上記サイトを運営している加盟店が特定されないと,十分な防禦をすることが困難というべきできある。

 以上によると,上記サイトを運営している加盟店を特定しない原告の主張は,債権発生のための請求原因事実の主張として不十分であり,主張自体失当である。」